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雨のミルフォード・サウンド

Date: 20 11月 2018

ミルフォード・サウンドについて少しでも調べてみると、雨の日こそ美しいという表現を目にするはずです。その訳をご存知ですか。

ニュージーランドのようにドラマチックな景観が魅力的な国へ旅行する場合は、なるべく晴れて雲も少ない日が続くよう願うものです。雨になりますように、と望むことはまずないでしょう。ところが、フィヨルドランドのミルフォード・サウンドは例外です。

年間降水量が600ミリを超えるミルフォード・サウンドには、雨が多いという表現は控えめすぎるくらいです。ニュージーランドで最も雨量が豊富なこの地域は緑豊かな森林に覆われていて、美しいフィヨルド、あちこちに点在する湖など、いくらでも探索したくなるはずです。雲が厚くなり山々の上から霧が降りてきて、苔むすブナの森林が雨に濡れていく様子を見ていると、恐竜時代の世界に足を踏み入れたような気分になります。起源の古い希少種の野鳥の声がどこかから響いて来ることもあり、人間がやってくる前のニュージーランドの姿が容易に想像できます。

ですから、ミルフォード・サウンドへ行く日の予報が雨だったとしても、がっかりしないでください。ニュージーランドでもこの辺りでは雨が普通ですし、雨は一層思い出深い演出をしてくれます。雨が降り始めると、風景に魔法をかけたような変化が現れます。常時流れている滝は、背後にある山々と氷河から集まった水で2倍にも3倍にも幅を広げます。幸運にも大雨に恵まれたら、ドラマチックな岩壁にその時にしか見られない滝が何百と現れます。

雨のすばらしさは目に見えないミルフォード・サウンドの水面下の世界にまで及びます。降るそばから海へと流れ落ちる雨水は、森林を通る間にタンニンという暗い色の色素が溶け込みます。暗い色の淡水が重い海水の上に数メートルの層を形成しているため、ミルフォード・サウンドの海中には光が通りにくくなっています。その結果、通常では深海でしか見られないような生き物が水面に比較的近い場所に生息しています。白い色をした黒サンゴもその一例です。

ミルフォード・サウンドへ行くなら、雨と聞いて落胆することはありません。悪い天気などなく、服装が合っていないだけなのだ、という気持ちで来てください。

著者について:リズ

リズ・カールソンは、世界的旅行ブログサイト、Young Adventuress のクリエイターです。アメリカ出身、ワナカの山間部に拠点を置き、常にニュージーランドでアドベンチャーに出かけています。Instagram、濃いコーヒー、そしてカカポの保護に情熱を注いでいます。

投稿写真用タグ:#RealJourneys

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